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思いついたらメモ。その程度。定期的な更新なんてありえない。
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裁判はわからない パーネル・ホール 著/田中一江 訳 読了
 裁判はわからない

 わたしの判断はあてにならない。
 だれもがそう言う。が、妻殺しの
 容疑をかけられた依頼人は無実に
 決っている。妻を殺した男がみず
 から警察に通報し、血まみれのま
 ま告白するわけないじゃないか?
 おまけに、殺人のあった時間には
 容疑者は仲間たちとポーカーをし
 ていたのだ。まさに鉄壁のアリバ
 イ! そう思っていた。ポーカー
 仲間たちの証言が食いちがってい
 るのを知るまでは……ひかえめ探
 偵の愛妻アリスが大活躍の第11弾


 前回読んだ作品では、偽装殺人を舞台にして、主人公スタンリーとマコーリフの関係を描いていたパーネル・ホール先生ですが、今作では、スタンリーとスタンリーに仕事を回してくれているリチャードとの関係を描いています。
リチャードというのは、弁護士ですが、主に取り扱っているのは、事故による損害賠償です。リチャードが普通スタンリーに依頼する仕事は、電話で依頼してきた客の所に行って、書類にサインして貰ったり、事故現場の写真を撮影したりする事です。基本的に「非過失損害事故」というもので、加害者が存在しなくて被害者のみ存在する事故。つまり、道路の穴ぼこで、躓いた弾みに転んで骨折したとかの類で、道路を整備していなかった「市」に保証を求める訴訟を起こす仕事です。この訴訟は基本的に「市」側もほとんど和解してくるので、起訴されずに和解金がすぐに手に入る様になっています。
そんな事件性の全くない訴訟を仕事としているリチャードは映画での裁判なんかに憧れている訳です。作品内ではそうは描かれていませんが。なので、スタンリーが拘留されると嬉々として警察に出向いていく。というのが今までのパターンです。
今回は、リチャードの知人が殺人事件の容疑をかけられた事で、思いっきり張り切ってしまいます。リチャードにとっては始めての事件性のある裁判になるからです。慎重に慎重をきして事にあたるのですが、その為にスタンリーには情報を最低限しか与えません。
「脅迫なんかこわくない」では依頼人がほとんど情報を与えずにいたので、スタンリーはイライラしていましたが、今回はリチャードが教えてくれない状況。※パーネル先生は同じ様なシュチエーションを続ける事が好きなのですかね?
依頼人のアリバイを証明する証人の供述を取るだけの仕事。スタンリーにとってツマラナイ仕事を与えるのがリチャードだという事を強調しているようです。でも今回、スタンリーはリチャードに食い下がって、昇給してもらいます。今までの2.5倍の報酬!
そこに気をよくしたスタンリーの妻アリスが関ってくるという流れです。

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テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

脅迫なんか怖くない パーネル・ホール 著/田中一江 訳 読了
 脅迫なんてこわくない

 自分をゆすっている男に金を渡し
 て――わたしを訪ねてきた美女は
 訴えた。が、彼女は何も事情を話
 さない。揉め事は苦手だが、法外
 な報酬につられ、わたしは脅迫者
 に会いにいった。そこでわたしが
 金と引き替えに受け取ったのは、
 見知らぬ男女が写っているポルノ
 写真だった。彼女と写真には何の
 関係が? 謎だらけの仕事は、や
 がてわたしをとんでもない窮地に
 陥れるが……相も変わらず美女に
 弱い控えめ探偵が奔走する第九作


 前作で、芝居の役を貰いラストはエルキュール・ポワロの様に犯人を特定する事が出来た主人公スタンリー・ヘィスティング。前々作で落ち込んだ彼だったが、これで少しは復活できたであろう。その結果となるのが、今回の作品。探偵として自覚を持って仕事を受ける事が再び出来るようになっていた。と言っても前よりも慎重になっている。しかし、その慎重さを打ち消すだけの報酬が!という流れで今回の事件に巻き込まれていく。
 今回の仕事は、報酬は以前の2.5倍だが単純。「依頼人に代わって、金を相手に渡して、かわりに写真を受け取ってくるだけ」詳細は一切語らない依頼人は気に喰わないが、報酬は満足。ひと悶着あるも、依頼をこなすが、その日の午後に再びその依頼人から連絡があり、もう一度同じ仕事を依頼される。報酬は更に倍。前回とは異なり、「ダイハード3」のブルース・ウィリスの様に街中を走らされる事になる。その行き着いた先には…

と言うのが今回のストーリーの出だしです。どこにでもあるような内容なのですが、スタンリーのボヤキ(?)や、そこからの行動が相変わらず面白い。でも今回の作品を読んで僕が注目した事は「スタンリーとマコーリフの仕事上の人間関係」。私立探偵であり主人公であるスタンリーは、これまでも警察内部にいる友人(?)マコーリフの所に行って、なんやかや言われながらも助けてもらっていた。今回もマコーリフの元へ情報を仕入れに行くのですが、ちょっと違う。いやいつもと同じなのだけれど、マコーリフがスタンリーにとる冷たい態度の訳を著者がはっきりさせようとして描いています。
スタンリーは私立探偵だけど実態は「事故調査員」に過ぎなくて、事件の事となると多少の経験はあるものの素人に近い。つまり捜査方法や情報収集方法を知らないし、情報源も自分の足以外には、他に持っていない。なので、警察内部の知り合いであるマコーリフを頼る事になる。マコーリフは、過去の経緯からスタンリーに気を許してはいるのだけど、職業上の理由で情報を漏らす訳にはいかない。また、仕事仲間が見ている前で外部の人間であり私立探偵であるスタンリーと仲良くする事は、下手をすると誤解を招くと思っている。もし誤解が生じれば、マコーリフは今の職を失いかねない状況に陥ってしまう。
それを伝えようとして、スタンリーに冷たく接するのですが、当人は気が付いていない。
マコーリフはスタンリーに情報を教えても問題が無いような「頼み方」をして欲しいと思っている。ここが今回、著者が書きたかった事じゃないかな?と僕はおもいます。
それを補強するように、マコーリフと、同じ刑事であるサーマンの関係も描かれています。
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俳優は楽じゃない パーネル・ホール 著/田中一江 訳 読了
actor
 役をもらった! 演出家をしてい
 る昔の演劇仲間に頼まれ、急死し
 た役者の代役を務めることになっ
 た。が、初日直前、偏屈な舞台監
 督が他殺体となって発見された。
 しかも警察は、よそ者のわたしに
 疑いの目を向ける。なんとしても
 犯人を見つけだすため、わたしは
 劇団内の人間関係を探るが……晴
 れ舞台に向けて、控えめ探偵が涙
 ぐましい奮闘ぶりを見せる第八作


 前作「撃たれるといたい」から数ヵ月後の話。作品の発表自体は前作の1年後だったから、作品発表直後の読者の反応が気になる。
シリーズ物でのタイムラグというのは結構ある事だけど――現実の時間と作品内の時間経過は異なって当たり前なのだが――今回の「俳優は楽じゃない」に関しては、僕は気になってしまう。幸運にも最近になってパーネル・ホールの作品を読み始めた訳だから作品と作品の間の時間――現実時間と作品内時間の差――に抵抗は無かったけれど、リアルタイムで読まれていた方々は、気をもんだのじゃないかなと、同情してしまう。まぁ、余計な心配なのだけれども。
と、いうのも前作でやっと自分の仕事に自身を持った主人公スタンリー・ヘイスティングは一発の銃弾で、やっと築いた自信をも打ち砕かれてしまう。前作後半でなんとか、事件解決とともに、その逆境を克服したかの様に思わせるが、決して「失った自信を取戻して」終わった訳じゃなかった。それが、とても気になっていたからだ。充分に克服できていない主人公スタンリー。今回の作品が完成するまで著者の苦悩はどういうものだったろうかと思う。それとも既に設計図は出来ていて難なく書き上げたのだろうか?気になる所だ。
 今回スタンリーは役を貰う。彼は20年前には役者だった。演じる場所も地元ニューヨークではなく、遠く離れたコネチカットだし、気分転換には持ってこいだと思える。急な代役と言う事もあって、芝居以外の事を考える余裕も無くなって理想的だと思えた。ところが…やっぱり殺人事件が起こる。そういうシリーズなのだから仕方ないけれど。この変の筋書きは、「陪審員はつらい」と同じ様なパターンで進む。殺人が起こり、スタンリーが第一発見者になってしまう所も同じだし、殺人が起こったからと言って演劇は中止になったりしない。裁判の時も当然中止にならなかった。ただ違うのは「陪審員はつらい」の時ほど疑いを待たれていないばかりか、地元警察は最初から探偵であるスタンリーに協力して欲しい様な感じで好意的ですらある。さら異なるのは、スタンリーが事件にあまり感心を持っていないという所。「陪審員はつらい」だけでなくそれ以前の作品でも、スタンリーが事件の調査を始めるのは被害者に対して何らかの人情を抱いていたからだった。今回は、そんなものは無い。そういったパーネル・ホールによるスタンリーの描写は、彼がまだ「撃たれると痛い」での一件を引きずっている事を表現している。著者はスタンリーに「役者」という役割を与える事で、立ち直って欲しいいんだろうなと思ってしまう。
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テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

撃たれると痛い パーネル・ホール 著/田中一江 訳 読了
撃たれるといたい

 恋人の誠意を確かめて欲しい――
 メリッサと名乗る、地味で気弱な
 中年女性の依頼は、たやすい仕事
 に見えた。予想通り、当の男と若
 い美女の密会現場を突きとめ、一
 件落着。と思いきや、その直後に
 男が他殺体で発見され、メリッサ
 に殺人の容疑がかけられた。納得
 のいかないわたしは、密かに真相
 を探りはじめる。が、その矢先、
 このわたしが、何者かに撃たれて
 しまうとは! ひかえめ探偵が絶
 体絶命の危機に立ちむかう第七作


 前回の「陪審員はつらい」が面白すぎて読み終わった直後に、この作品を読み出しました。「陪審員はつらい」で、探偵としての自信を付けた主人公スタンリー。ヘイスティング。このシリーズは、他のミステリーや推理物のシリーズと異なって、主人公の精神的成長を、作品を重ねる事で描かれていて面白い。まるで大河ドラマのよう。もともと主人公は、役者を目指していた。一度はアーノルド・シュワルツネッガー主演の映画「SF超人ヘラクレス(1970年アメリカ)」で、端役を演じているらしい。――作品中ではスタンリーが演じているが、実際は著者が経験した。詳細は「陪審員はつらい」を読んでください――
 しかし、その役者の仕事もほとんど無くなり、執筆業に転じようとしたが、これも全くダメで、仕方なく友人の紹介で「調査員」の仕事を引き受ける事になった。その就職祝いに探偵の看板をジョークとして友人からプレゼントされ、事務所の入り口に<ジョークとして>掲げているに過ぎなかった。それが、作品一作目で、勘違いして戸を叩いてきた依頼人がいた。というのが、「探偵業」の始まりだった。故に探偵としての自覚も無く、病むにやまれずに続けてきた。それが前作で、鮮やかに事件を解決した。それで自信を付けた。
 今作はここから始まる。作品中には「自信が付いた」とは書かれていない。続けて読むことで、作品と作品の間にスタンリーに自信が付いたのだろうと思わせる出だしとなっている。この辺りの描写や仕掛けは、さすがパーネル・ホールだと言わせられる程、見事。冒頭の1章を読んだだけで、期待感が高まる。
 先月読んだ、クレオ・コイルのシリーズ物も面白かったのだが、正直な話、作品を読み重ねるたびに嫌気が差していった。しかしながら、それを我慢して読み進むと、作品の後半から少しずつ面白くなっていくので辞められないのだが。
 パーネル・ホールの作品は、明らかに面白い。映画は最初の15分で客の心(関心)を掴まないと失敗だと言われるが、パーネルの作品には無縁の言葉かもしれない。
「撃たれるといたい」というマヌケな邦題が付いているが、原題は「SHOT」だ。単語1つなので、「撃つ」と訳すのが普通じゃなかろうか?と、僕の素人考えではそう思った。邦題から考えれば、スタンリーは「撃たれるのか?」と考える。江口寿先生が描く表紙のイラストでは、自殺でもしそうになっている。冒頭の自信満々なスタンリーからは予測が付かない。章を進む毎に期待感が膨らんでいく。
そして、タイトル通り撃たれる事になる。

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陪審員はつらい パーネル・ホール 著/田中一江 訳 読了
 陪審員はつらい

 この世には、つらいことが多すぎ
 る。私立探偵として独立したもの
 の、相変わらず借金におびえ、妻
 には頭があがらない。そのうえ、
 陪審義務まで命じられたのだ。わ
 たしはしぶしぶ裁判所に出向いた
 が、そこで同じ陪審員候補の美人
 女優と知り合った。が、喜ぶのは
 早かった。まさか彼女が、わたし
 に殺人事件の容疑者となる運命を
 もたらすなんて……次々と待ち受
 けるつらい試練に耐え、ひかえめ
 探偵が事件解決に奔走する第六作


 「やっぱり、面白い。」それが読了後に、最初に僕の口から出た感想の一言だった。
主人公スタンリーは今回、不運にも陪審員候補になってしまう。日本でも昨年の2009年5月21日に施行された「陪審員制度」だ。この制度を巡っての問題の提起や議論は今もあちこちで続いている。僕は「陪審員制度」はアメリカが本場だと思っていた。しかも長く続いているので、アメリカの制度下での問題は日本ほど大きな物では無いだろうと思っていた。というか、アメリカでは普通の事であり問題は生じていないというイメージすら持っていた。※同じ陪審員制度といっても日本とアメリカでは異なっているし、当のアメリカでも州ごとに制度は異なっているらしい。なので、同じ様に考えるのは不適当だと、後になって気付いた。
  スタンリーは自営業で、彼一人が、ただ一人の経営者であり、たった一人の社員。唯一の収入源だった。つまり、彼が陪審員候補になって身柄を拘束されれば、途端に収入が無くなる。当然、意義申し立てをする。しかし、無残にも即刻却下されてしまう。仕方なく、陪審員候補として身体を縛りつけられていない時間―朝8時から10時までと、夕方5時以降に―親会社から仕事を回してもらう事にする。こういう生活に関る事が陪審員制度の一番の問題点である事を教えてくれる。まぁ、家計のためと言いながらも、無理をして稼ぐその姿はカッコイイ。こういう男は好きだ。ブツブツ言いながらやるべき事をやっている。
 日本で語られる「陪審員制度」は裁判に参加してからの説明が目立つけれど、このパーネル・ホールの作品では、その前の段階での「身柄拘束」の問題に付いて語っている。
「陪審員候補」に選ばれ、裁判所で身柄を拘束される。その時点の仕事は「待機」だけ。2週間の間、待つ事だけだ。その間に抽選が行われて、集まった候補者から50名が選ばれて、面接を受けて、12人の陪審員と2~4名の交代要員が選ばれる。つまり「陪審員候補」に選ばれて身柄を拘束されても、「陪審員」になれるとは限らない。「陪審員」に選ばれなければ2週間の(退屈で収入のない)拘束だけで済むが、選ばれると「裁判が終わるまで拘束される」ことになる。下手したら何年も。仕事を失う可能性だって出てくる。
 物語の方は、主人公が「陪審員候補」から運悪く「陪審員交代要員」に選ばれてから進行する。その後、同じ陪審員チームの一人が殺され、その第一発見者となってしまう。「第一発見者」は当然疑われる。スタンリーは自分の身の潔白を証明しなければならなくなってしまう。仕事と陪審員制度のせいで、ただでさえ時間が無いのに。この辺りが、この作品の楽しめる箇所の一つ。
 アメリカのサスペンス作品は小説でも、映画でも、裁判ネタが多い。アメリカ人は裁判ネタが好きなのだろうなと思ってしまう。※以前、何かのニュース番組で裁判に興味があると言って、ニンテンドーDSの「逆転裁判」に夢中になっている30代後半のアメリカ人達が紹介されていたのを思い出した。個人的には、裁判を扱った映画で好きな作品は「タッカー」と「シューター」、それと「評決の時」。どれも最後の最後での逆転劇が面白い。

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