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思いついたらメモ。その程度。定期的な更新なんてありえない。
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雨戸の戸袋と野良猫
 時ごろだったろうか、自分がちょうど蒲団の中で落ちかかっていた時に瓦の上を歩くような足音が聞こえた。結構大きな音だったので目が覚めてしまった。

自分が寝起きをしている部屋は2階。ベッドのすぐ横には窓があり、窓のすぐ先には瓦屋根がある。今じゃ絶滅寸前の焼き瓦だ。新築住宅では、もう使う事は無いらしい。瓦を焼いている業者自体が無くなって来ていると、外壁塗装を営んでいる叔父が言っていた。セメント瓦ですら絶滅危惧種だそうだ。

瓦の上を歩くと結構音がする。瓦と瓦が重なっている箇所がぶつかりあうせいだろうと思う。屋根の上に上がって、瓦の上に寝転がって昼寝をしていると気持ちが良いが、必ず親父が瓦を踏み割るなよと言っていたのを思い出す。いまだかつて踏み割った事は無いけれど。
瓦の下には割りと隙間がある。今の板状の屋根素材にはありえない隙間だ。ここに雀がよく巣を作っていた。瓦を剥がすと藁や枯れ草で作られた巣の中に鶉の卵より小さな雀の卵を見つける事ができた。いまでもたまに雀が瓦の下に入り込むのを見る事がある。さすがに瓦を剥がして中を確認する様な事は、もう、しないが、それでも微笑ましく思う。ダニとかえたいの知れない虫が湧くことなど考えても見ない。

瓦の下にそれだけの隙間があるのだから音が響くのは当然だ。しかも深夜である。家のまわりは田舎のせいか夜は本当に静かだ。数キロはなれた電車の走る音が聞こえてくるくらいひっそりとする。
なので、深夜の瓦を踏む音というのは小さくても響く。音がしてきたガラス窓を見ると、野良猫の尻と尻尾が見えた。こいつが犯人かと安堵した。最初は泥棒か強盗かと思ったからだ。野良猫でよかった。

良猫の模様を確認すると、昼間よく見かける野良猫だった。白と黒のブチ。
私の車の上にしょっちゅう上がり、フロントウィンドウと屋根にたくさんの足跡を残していくあの野良猫だった。
窓ガラスと軽くトントンと叩くと、その音にビックリしてすぐに何処かへ逃げ出した。そういえばこういう事は前にもあったなぁと思い出す。前回もビックリした事を思い出し、我ながら情けない。同じ事で同じ様にビックリさせられている。俺は学習能力が無いのだろうなと苦笑い。
目が冴えてしまったが蒲団に潜り込み寝る努力をしていると、再び瓦の上を歩く音がした。
ヤツが戻ってきたのだ。今度は窓ガラスを叩いて驚かして追い払う様な事はせずに、何故戻ってきたのか確認する事にした。先ほどと同じ様に窓ガラスに尻を押し付けシッポで窓を叩いている。何がしたいのだろうと思う。マーキングか?いつまでもその状況が続くので、窓を開けた。すると脱兎の如くどこかへ逃げて行ってしまった。野良猫がいた所を確認すると、どうやら雨戸の戸袋の中に入ろうとしていた形跡が見つかった。猫の毛が少量残っていたからそう判断した。戸袋の中に入るのは猫の体では大きすぎるだろうと思うのだが、彼は必死で努力をしていた様子。戸袋の中に入れば寒さを凌げるかと思ったのだろう。若しくは、野良猫の餌となるネズミか雀が戸袋に隠れていたのか?
雀は産卵するときに瓦の下に巣を作るが夜寝るだけなら、桟と屋根の隙間、戸袋の中で休む事がある。一度、そうやって休んでいた雀を素手で捕まえたことがある。昼間はすごく敏感に反応して人やカラス等の外的からすぐに逃げ出すのに、寝ているときは本当に全く無防備なのだなとその時知った。野良猫がそれを知っていたとしても不思議では無い。
でも可能性があるとしたら…やっぱり、寒さから逃れるためだろうな。自動車の屋根に足跡を残すのは自動車の上にある車庫の棚に上がる為だからと思い出す。その棚は昼間には日が差し込み暖かく、夜も風を防ぐことが出来る。しかし、自動車が汚される事を嫌った親父がその棚を塞いでしまった。野良猫は凍死する事も飢餓で死ぬ事も無いと何かで知った。
行き場を一つ失っても新たな場所を見つける。そういう生存能力に優れた種だと思う。

彼か彼女かは確認できていないが…彼はきっと別の場所をまた探すだろう。その点では自分なんかよりも遥かに逞しいと思う。

そういえば、スピルバーグ監督の映画「ジュラシック・パーク」でカオス理論の専門家であるマルコム博士(ジェフ・ゴールド)のセリフで次のようにあったのを思い出しました。

「生命は生きる道を自分で見つけ出す」

≪1789文字:400字詰原稿用紙5枚≫
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