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思いついたらメモ。その程度。定期的な更新なんてありえない。
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ソラリスの陽のもとに スタニスワフ・レム 著/飯田規和 訳 読了
ソラリス

 すみれ色の霧におおわれ、ものうげのたゆ
 たう惑星ソラリスの海。だが、一見何の変
 哲もなく見える海も、その内部では、一種
 の数学的会話が交され、自らの複雑な起動
 を自己修正する能力さえ持つ、驚くべき高
 等生命だった! しかしその知性は、人類
 のそれとはあまりにも異質であった。いか
 なる理論をも、いかなる仮説をも受け入れ
 ず、常にその形を変え、人類を嘲笑するか
 のようにつぎつぎと新たなる謎を提出する
 怪物――生きている<海>。人類と思考す
 る<海>との奇妙な交渉を通して、人類の
 認識の限界を探り、大宇宙における超知性
 の問題に肉薄する傑作! 完訳決定版!


 んとか読了。こんなに読むのが大変だった小説は久しぶり。読了後の感想は「終わって良かった。」だった。本当に、最後の一文字まで何とか読み終えた事が嬉しい。
 内容はともかく、本当に読み解いていくのが大変。最初の28ページ位までは問題なく読み進めた。それからの10ページを読むのに3日費やしてしまった。一度読んで、アレ?と思い、前に戻る。もう一度読み直してアレレ?となってしまう。一進一退の繰り返し。
 第2章の「ソラリス学」を読み終わった時はあまりにも精神的な疲れから、しばらく眩暈が続き寝込んでしまった。しかも12時間も! それからは、ゆっくりながらも少しづつ読み進めていったが…内容というよりも、文章が難しいのです。1文節が数行にまたがる事が多々ある上に、言葉遣いが古いので余計に読解力が必要となる。
さらに、ダメ押しが・・・
ソラリス
こんな具合に、活字が横を向いていたりするから…もう大変
 者あとがきに、著者がロシア語版に序文を書いた事を紹介している。この作品の全容のまとめとしては最高と思う。
ここで引用する訳にはいかないが、僕なりに序文をまとめると…
人間と宇宙のかかわりは、当時は3パターンしかなかった。人間と宇宙人の「共生」。宇宙人に「勝つ」か「負ける」かだ。これらは、どれも宇宙人と人間を対等に考えている事の結果だと。それに疑問を抱いた著者は、人間の価値観や想像力に全く当てはまらない宇宙人もいるはずだと。価値観が違うのだから、侵略も戦争も無い。生態系すら全く異なっているので意志の疎通どころか、調査しても解答が得られない「存在」があるはずだと。
それが「惑星ソラリス」の<海>だった。映画化された2つの「ソラリス」では全く語られていないが、ソラリスの<海>の調査は主人公クリスがソラリスに来た日よりも100年以上前から続いていた。しかも、様々な仮説がたてられ、調査されたが全て解答が得られなかった。仮説の一つで有力なのは<海>はソラリスの最大にして唯一の生物だと言う事。宇宙ステーション内に現われる「お客」は、主人公達の記憶の一部を設計図にして作られた物だが、その目的が分からない。この目的を紐解いていくとそこに見えてくるのは「鏡」。つまり、自分たち自身だった。

 この辺りは映画では、触れられておらず監督たちや脚本家によって変更されています。それでラストが宗教っぽくなってしまっているのですね。小説のラストでクリスは「宗教は信じていないが」と、切り出し「不完全な神」の仮説を立てています。ここの文章も複雑ですが、なるほどそういう風にも考えられるねと、納得できます。もちろん、この小説の世界限定での納得ですが。
―以下ネタバレ含む―

 ルコフスキー監督の「ハリー」、ソダーバーグ監督の「レイア」。この女性は原作では「ハリー」ですが、要は<お客>です。クリスの記憶の断片から設計され、<海>から派遣されてきた「探査機」です。なぜ、<海>が宇宙ステーションに探査機を送ったか?それは、100年以上もソラリスの海に探査機や調査の機械を沈めてきた人間の行為の模倣という事。<海>は惑星唯一の生物で、他者との関り方を知らない。なので、模倣するしか手段が無いって事らしいです。「探査機」といっても、<海>は衛星軌道上にいる一人ひとりの人間の脳を、本を読むように調べる事ができるという設定でして、本人よりもその人間に詳しいとの事。つまり「探査機」は<海>にとっては無意味なのです。それが分からない人類は、「お客」に翻弄されてしまうわけです。最後にその点に気付いた(悟った)クリスはソラリスから地球へ帰る事に決めてしまいます。帰るシーンまでは描かれていませんが、「ハリー」に未練が無くなったクリスがソラリスに残る理由は全く無いでしょう。
映画の方のクリスは、特にソダーバーグ監督のクリスは未練の塊です。消えた「レイア」を取戻すためか、ソラリスに落下し始めたステーションに残るほどです。その後、クリスがどうなったかは、映画を観て判断してほしいと思います。タルコフスキー監督のクリスは消えた「ハリー」に未練を残し地球に帰らずソラリスに残る決意をしますが、地球にいる父親への罪悪感からか、ラストではソラリスの海に出来た<模倣された>自宅で、父親に擬態している<お客>に、跪いて終わります。このクリスは「罪悪感」からソラリスに残る目的を見失ったのでしょうか?と疑問が残ります。というのが、私個人の解釈です。
 やはり、映画を観て、原作も読むと、全く印象や感想は変わってしまいますね。もちろんこれが正解ではないでしょうけれど。

 れから、ラストまで残り4ページという箇所で読みながら寝てしまいました。夢の中で、ソラリスの続きを読んでいるという奇妙なシーンでした。ソラリスのラストを自分の意志で作り上げソレを読んでいる自分。途中であれ?なんか変だと思ったときに目が覚めました。小説を読むと、さっき読んだ内容と違う事が書かれていて、少しパニック。我ながら変な寝ぼけ方をしたものだと思いました。しかし、考えてみると、これが<お客>の正体なのかなと。夢の中の自分は「自分が望むラスト」を読んでいる。現実とは違う、とても読みやすく、意外性が全く無い―面白くない―ラストを。ん~、やっぱりちがうか。これは只の逃避ですね(苦笑)

≪2499文字:400字詰原稿用紙7枚≫
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テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

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